きんゐかうし卿

スプライスのきんゐかうし卿のネタバレレビュー・内容・結末

スプライス(2008年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

 

自宅にて鑑賞。カナダとフランスの合作。“フレッド”と“ジンジャー”の造形を始め近親相姦等、性的な暗喩や倒錯が鏤められフロイト派の連中が悦びソウな内容と描写。ホラーとしてはやや弱いが、展開に惹き込まれる。科学者の暴走とそのラスト、少ない登場人物等はD.クローネンバーグの『ザ・フライ('86)』を想起。“ドレン”は山羊の頭でこそないが、両性具有で翼を持ち山羊の肢と西洋の悪魔の印象。“エルサ・カスト”のS.ポーリー、ドコかで観たと思ったら『ドーン・オブ・ザ・デッド('04)』の“アナ”役だった。60/100点。

・ロゴを絡めたオープニングが良かった。選曲が洒落ており、インモラルでともすればグロテスクな内容とのアンバランスさが際立つ一方、作品全体をマイルドに包括していた。倫理的な問題もソウだが、生化学的にもかなり無理な設定や描写がある様に感じた。異形との性交シーンは手塚治虫のマンガか、『ポゼッション('81)』のI.アジャーニを思わせる。

・S.ポーリー演じる“エルサ・カスト”とA.ブロディ演じる“クライヴ・ニコーリ”の役名は、それぞれ『フランケンシュタインの花嫁('35)』で“ヘンリー・フランケンシュタイン”博士役のC.クライヴ、“メアリ・ウルストンクラフト・シェリー”と“怪物の花嫁”の二役を演じたE.ランチェスター(エルサ・ランチェスター)から採っていると思われる。

・鑑賞日:2011年11月14日
★☆ 某サイトより転載 ☆★