竜平

ホーム・アローンの竜平のレビュー・感想・評価

ホーム・アローン(1990年製作の映画)
4.7
ご存知、ひょんなことから我が家にて独り「留守番」をすることになってしまう8歳の男の子の奮闘を描くクリスマス的ホームドラマ。

今まで何度も何度も見てきたけどここにきて初めて吹替でなく字幕で鑑賞、ってのはまぁどーでもいい話。いやはや文句なしにおもしろいなと。ドタバタコメディとして単純に楽しいのはもちろん、改めて見て要所要所に感じられる「味」というものにも気づいたり。まずなんと言っても主人公ケビンを演じるマコーレー・カルキン少年。表情に仕草に、もうバツグンに可愛い。で、少年ながら感じてるちょっとした疎外感、上手くいかないことへの苛立ち、自由を求める様などもじつは描かれ演じられてたりする。末っ子だった俺自身もそーゆーのあったなーとか、ちょっと思い出したりして。ちっちゃい悪事とか、心にもないこと言ってしまったりの姿というのも少年ならではだなと。そんな一人の子供の成長の物語もありつつ、忘れちゃいけないのがヘッポコ泥棒コンビとのバトル。今作ではまだギリ「懲らしめる」程度にとどまってる気がするけどどうだろう。暴力映画の音声とか、兄貴の飼ってるタランチュラとか、前半の布石をしっかり活かす展開も楽しい。もうひとつ忘れちゃいけないのが、隣の家のおじさんとのほっこりエピソード。クリスマスやサンタ、そして「願い事」とのストーリーの掛け合わせ方も非常に上手いなと。このちょっとしたファンタジー色はクリス・コロンバス節なのかな。ジョン・ウィリアムズの音楽もね、かなり印象深い。コメディ部分で大いに楽しんでた幼少期とは打って変わって、年を取った今ではなんというか親目線での家族間、親子間のドラマにホロッとされられてしまうという、まさに「笑って泣けて」楽しめる名作。

にしても細かいとこがまた笑えるんだよなと。歯科医師会の推薦を受けてるかどうかってそんな重要なんか、とか、ポルカバンドのこと母親が全然ピンときてない感じとか、家の前の銅像には毎回ぶつけるし。あと、いないと気づいた瞬間の母親の「ケビン!」ね。
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