FutosiSaito

競輪上人行状記のFutosiSaitoのレビュー・感想・評価

競輪上人行状記(1963年製作の映画)
3.8
 驚いた。もう今では作れない異色の作品だった。
 1963年がポイントだ。競輪が一大レジャーだった時代。
 ここまで協力的だったとは。松戸競輪場を中心に他も出てくるのに、ハマった者の悲惨さも描写されている。それでも協力的。今では考えにくいことだ。
 ギャンブル法案とか「ギャンブル依存」とかいう前に、この映画を見て学ぶべきだ(笑)。そのくらい凄い内容だった。
 2016年12月に「IR法案」というギャンブル法案が決議された今こそ、見るべき映画だ。
 理想を追う、世間知らずの教師である主人公が、本堂再建資金のため競輪にハマっていくさま、これを小沢昭一が実に巧く演じている。
 展開も先が読めず、さすが今村昌平の脚本だ。
 南田洋子も、相変わらず美しいし、渡辺美佐子も雰囲気がある。
 驚いた。
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