ビターチョコ

全然大丈夫のビターチョコのレビュー・感想・評価

全然大丈夫(2007年製作の映画)
3.8
★最初に追記(2020年12月24日)
私はこの映画が好きだ。それだけは間違いない。


変な映画。
好きな映画。
だが、何かが大きく違う。観て良かったと思うが、何かが違う。コメディだが作風が独特。三木聡監督作を思い出す。

三木聡なら「ボケ」た後にツッコミが入る。だが、この藤田監督はツッコミを入れない。だから困った、観ていられなかった。特にヒロインの不器用なシーンが辛かった。はっきり言えば「もの凄く不快」だった。

あらすじ
主人公の照男は29歳の植木職人で、実家は古本屋。「世界一のおばけ屋敷を作りたい」という野望があり研究熱心だが、実現には程遠くビジネスプランを考えずに日々悶々と暮らしている。幼馴染の会社員の小森君は優しい男で、好きでもない医療関係の仕事をしていて、将来に夢も希望もない(何もない男)。そこに美人で超不器用な女性「あかり」が現れて……。

★ネタバレ進行で!

冒頭で全く予想していなかったが、1人の女性と3人の男性の四角関係の映画だった。(この映画にとって)恋愛要素は不可欠だから、そう断言していい気がする。

「もしヒロインが美人じゃなかったら…」
あの不器用さだし、誰からも相手にされないんじゃないか。そう考えれば、この映画のキャッチフレーズ「癒し」は大きく違うんじゃないか(それも大きく)。

登場人物たちがみんな不器用な映画。
しかし演出は確かだし、脚本の省略の仕方が(何度も)心地よい。しかしこの映画を観て「憩い」を感じる人は少ない気がする。むしろ「イライラ」するんじゃないか?

個人的には好きな映画。
だが何かが違う。
ちなみに音楽はゴンチチかと思ったら違った。
評価を「4.0」にした後「3.5点」に変えようと思ったが、「4.0」にちょっと届かない「3.8」にしたい。冒頭10分なら(私にとって)大傑作かと思ったが、失速したり盛り返したりで欲求不満的に終わった。個人的には「おばけ屋敷」のプランにまっしぐらの照男が観たかったのである。だが大きく裏切られた、おばけ屋敷は前半だけだったから。

映画を観た後にネットで調べたら、ヒロインを演じた女優(木村佳乃)は、ティッシュの件がトラウマになったらしい。あんな女性が現実にいたら、私は二度と関わりたくない。あれじゃあ不器用というより「ただの馬鹿」と考えるから。この監督の映画は他のは観たくないと思う理由は、ヒロインの不器用さが主な理由。本当に不愉快過ぎる。他のキャラは好きなのに。