Koshii

いまを生きるのKoshiiのレビュー・感想・評価

いまを生きる(1989年製作の映画)
3.9
大好きな俳優、ロビン・ウィリアムズの笑顔を無性に摂取したくなって。

いつでも彼が、私にとってのヒーローであり、「そこに居る」という優しさが堪らなく私の胸を打つのです。

誰かを救うためでも、善を振り撒くためでも、悪を懲らしめる訳でもなく、そっと彼らのそばに居るという優しさと強さが何よりも格好良い。そしてそれが大好きで、私の目指す像なのです。

〈あらすじ〉
全寮制の進学高校にて、英語の先生として赴任したキーティング。彼の講義は一風変わったものだった。成功を、親の後を続かなければ、それは嘘だと叩き込むような校風の中、彼が持ってきたのは新風。
良い大学に行かせるためでも、成功と呼ばれる人生を歩ませるためでもなく、大事なたった一つのことを伝えるために、彼は教壇に立つ。「カーペ・ディエム」(いまを生きろ)

詩は我々の生きる糧であり、人間の証明でもある。
キーティングは詩を通じて、人間の壮大さと美しさを伝える。

「真の自由は夢の中にある。今も昔も。ジョン・キーティング」

彼の奇抜な授業とキャラクターに少しずつ魅了されていく生徒たちは、キーティングもまた、この学校の卒業生であることを知る。
そして、当時彼が開いていた「死せる詩人の会」というものに強烈な関心を示すのだった、、、

いまを懸命にもがいているにも関わらず、先のことや将来のことがあまりに大きくチラつく所為で、迷いや悩みすら、成功者のように正しく切り捨てなさいという外圧を受ける。

夢を生きろとキーティングは言う。
いまを生きろとキーティングは云う。

曇天模様の青春のなかで、キーティングの放つ言葉は彼らの羽衣となり、今を見つめさせ、そっと背中を押す。だから、彼らは光の射す一点だけをただただ見つめ、走り出す。心の中に「カーペ・ディエム」をたぎらせて。青春の中からしか見ることのできない視点は永遠のような一瞬だから。


私にとって、映画は生きる糧。私の中の私を証明するための大切な所作。

いまをもがくために、清潔にもがくために、私はこうして映画を観るのかもしれない。

あ、とっても泣きました、、、
Koshii

Koshii