このレビューはネタバレを含みます
基本的に映画で泣く事は無いが、この映画には号泣した。
ヘルタースケルターでは酷評したが、沢尻エリカはメンタルに訴えかける作品ならピカイチだ。
主人公の兄(玉山鉄二)が、主人公(山田孝之)を大学に行かせる為に、他人の家に押し入り盗みに入る。逃げる瞬間住人と鉢合わせになり、揉み合いの末誤って住人を殺してしまう。
そもそも泥棒に入るのに、素顔を晒したり、鉢合わせになっても逃げずに【ごめんなさい。ごめんなさい。お金はお返ししますから。】と住人に印鑑と通帳を返す場面だったり、主人公の兄が犯罪に不向きな人間である事、無計画な衝動的な犯行である事が暗示されている。
とは言え、罪は罪だが。
無能な弁護士のお陰で事故ではなく殺人として裁かれ主人公の兄貴は刑務所に。
罪と罰。
しかし家族が犯罪を犯した場合、本人が罪を償えば良いという話ではなく
無論家族に対しても、世間は差別や偏見の目で見るし、それはずっと付き纏う。
犯罪者の兄を持つ主人公を山田孝之が好演。自分の力ではどうしようもできない差別と偏見に人生を狂わされ続ける。
恋も強制終了され、ようやく叶った夢も泣く泣く捨て、ボロボロに成り果てた主人公を支えるヒロインが沢尻エリカ。
手紙というアイテムが非常に重要は意味を持ち、それは人と人との絆を繋げる架け橋のような存在である。
罪と赦し。
いろんな事を考えさせられた名作
【差別の無い場所を探すんじゃない。君はここで生きていくんだ。】