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うつせみのOmakeのレビュー・感想・評価

うつせみ(2004年製作の映画)
3.0
友達おすすめのアジア映画を観る週間。
わかるようなわからないような作品でした。

主人公の男が存在するのか、存在しないのか物語後半になるとよくわからなくなってきて、これってマトリックスなの?それとも座敷童子なの?いや、もしかして、サイコ?はたまたポルターガイスト?とか少し混乱。

というのも主人公の男が何で家に忍び込むのか、そこが最後までわからなかったので、鑑賞後に監督のインタビュー映像をみました。

それによると、ある日家に帰ったらこの映画に出てくるようなチラシが自宅玄関の扉にあり、帰ってこなければチラシはそのまま貼り付いて残り、その間家が不在であることを意識したんだとか。
そして住人がいないその空蝉の家に入り、家の世話をする男を描こうという着想を得たとか。

鍵のかかった家というものが、人と人との分断の象徴で、留守の家というのが空虚の象徴ということなのでしょうか。

ドメスティック・バイオレンスを受けて自分の家に居場所のない女は、夫の留守中にこの男に空き巣に入られ、何を盗むわけでもなく、洗濯をしたり壊れた物を直したり、ただそこで生活を営んでは律儀に片付けて帰るこの男に惹かれて一緒に逃避行を続ける。

主役の2人が一言も言葉を交わさずに、コミュニケーションを取る様子は美しく、DV夫が発する言葉の嘘との対比は際立っているものの、ちょっと不自然ではあるかな。好みの問題かもしれないけれど。

舞台が超ハイテックな大都市だったらもう少しわかりやすかったかなとも思う。

いやでも実際この男と自分の部屋で鉢合わせたらホラーだわ。ゴルフクラブのアイアン3番持って歩いてるし、愛を蒔く天使にはどうしても見えない。

とはいえ韓国の生活や文化がわかるエキゾチックな映像は素敵だったし、幻想的な恋物語としては独自性があると思いました。
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