まず何よりも最初に『レントンとスパッドの再共演だ!』ってのが「トレインスポッティング」好きとしてちょっとテンション上がった。本編全く関係ないけど。
最近何となく思ってたことだけど、このコロナショックというものは映画の見方をも変えてしまったな。
今はこの手のパニック映画やある種のディストピアSFを、実社会となぞらえずに観ることは不可能になってしまってる気がする。
特に本作は、最初嗅覚と味覚を失うのが新型コロナの症状と奇妙に一致する。どうしても意識して観てしまう。
でも今だからこそ観てよかった。とても希望に満ちた映画だったから。
この映画の中で大多数の人々は、未曾有のパニックに見舞われながらも、自棄にならず日常生活を続けようと努めていた。
これはあって欲しい人間の姿だ。その情景を描写する女の人のナレーションと、そのバックに流れる美しい音楽が心に優しい。
最終的にこのパンデミックは解決不能のまま聴覚も視覚も奪っていく。想像するとめちゃくちゃ怖い。現実的に人類の今後を考えると絶望しかない。めちゃくちゃ残酷というか無慈悲な話だ。
パニック映画として観てたつもりだったので、この病気についてはもっと設定を掘り下げてほしかったなーとは思った。
けど恋愛映画として観ればよく出来たラストだと思う。こんなに悲しくも美しいラストシーンはなかなかない気がする。
主演女優のエディグリーンさん、キリッとしてカッコいい系美人。素敵。