しんご

ヤング≒アダルトのしんごのレビュー・感想・評価

ヤング≒アダルト(2011年製作の映画)
4.0
パッケージから軽いコメディかと思ったら意外とシリアスな映画だった。30代でこれ観ると我が身が引き締まる思いがする笑

ハリウッド屈指の美貌を誇りアカデミー賞まで取った方なのに、果敢にああいう役どころに挑戦するシャーリーズ・セロンの女優魂に拍手を送りたくなる。

セロン扮するメイビスはティーン向け学園モノ小説のゴーストライター。ある日、彼女は元カレのバディからメールを受信する。メールの内容は既に結婚したバディに第一子が誕生した旨を赤ちゃんの写真付きで報告するものだった。その写真を見たメイビスの心に何かが燃え上がり、既婚の元カレを奪い取るために帰省するのだが・・・。

この飛躍したストーリーだけでも相当メイビスの痛さが伝わるけど、本編が進むにつれてこの痛さが加速度を増して酷いことに笑。

学園の人気者だった過去を忘れられず、37歳バツイチになっても女王様気質が抜けないメイビスが映画「卒業」を引用して「愛こそが全て」って友人マットに語るシーンも痛いし、ヌーブラ着用で胸を強調してバディと飲むシーンも痛いし、バディの奥さんの前で昔のイチャイチャ話をするのも痛いし、とにかく痛いことだらけでこっちもどこかしら痛くなってくる気がした笑。

また、メイビスが執筆してる小説の主人公(高校生)とメイビス自身を重ね合わせる演出がまた切なさを増長している。この演出は彼女のラストシーンにおける独白でも使用されているけど、これが非常に後味の悪いスパイスになって印象的な締め方になってた。

人の根本は簡単に変われないけど、それでも変わらなきゃねって感じの映画。
しんご

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