しんご

カジノのしんごのレビュー・感想・評価

カジノ(1995年製作の映画)
4.1
奥さんと友達選びは大事だと実感する映画。スポーツ賭博における凄腕予想師の腕を買われてマフィア経由でラスベガスに送りこまれ、カジノビジネスで大成功をおさめたサム・ロスティーン(エース)が奥さんと悪友により自身の帝国を破滅させるまでを描いたお話。

スコセッシ尺の3時間も障害にはならず一気に見られた。主要人物がモノローグ形式でナレーションをするのは同監督の「グッドフェローズ」(90)と同じなので(後で見たら脚本家も同じなのね)、そこは演出の点では二番煎じだったけど、ストーリーには相変わらず引き込まれた。お客さんに儲けさせないシステムを徹底するエースはまさにマシーンの様な冷徹さで、それを憑依する演技力で体現するデ・ニーロはやはり流石の一言。そこにたかるジョー・ペシ扮するニッキーはやはりグッドフェローズから引き継いだ様な(というよりもっとひどい)相変わらずの悪漢で、あのような報いを受けても仕方ない。

個人的にはジンジャー役のシャロン・ストーンの好演が特に光っていた。90年代のセックス・シンボルのイメージが強いが、本作では華やかな高級娼婦から一転して、アルコールとドラッグで堕ちるところまで堕ちる役柄。とことん強欲で自分勝手、発言は支離滅裂で全く歩み寄れない彼女はニッキー以上に完全なモンスターで見るたびにイライラしたし、それ通り越してもう怖かった。改めて凄い女優さんなんだと感心した。サムも相当悪い奴な筈のにニッキーとジンジャーに挟まれると何か常識人に見えてしまう不思議さ。
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