土平木艮

ロスト・イン・トランスレーションの土平木艮のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

あらすじ…ハリウッド俳優・ボブ、CM撮影のため来日、東京に滞在。最近、仕事は落ち目(?)、妻とも何となく上手くいってなくて孤独→同じホテルに滞在中のシャーロット、夫の仕事について来たが、ほったらかされて孤独→二人は知り合い、東京での時間を一緒に過ごすうちに友情?が芽生える→ボブ、帰国の日。空港へ向かうタクシーから、雑踏の中にシャーロットを見つける。シャーロットを追いかけ、抱きしめ、耳元で何かを囁き、そしてキスをする。




タイトルの意味、CM撮影時の『通訳のテキトーさ』から来てるだけかと思ったが、違うみたい。何度も描かれる電話のシーンに象徴されるように『気持ちを言葉に「翻訳」すると、他人には伝わらない』と言うコトらしい。

物語は淡々と進む。何も事件は起こらず。個人的には、この静かな雰囲気は好き。

テーマ自体は万国共通のモノなので、淡々とした展開と相まってジワーっと心に染みるモノがある。
『自分自身や望みがわかってくれば、余計なことに振り回されなくなる』といった良いセリフもあり。

窓辺で膝を抱えて座り込むシャーロットが、寂しげだけど美しい。
京都で、結婚式にたまたま遭遇し、新郎が新婦の手を取る場面で見せたシャーロットの表情が印象に残った。


日本人としては『東京の描き方』に複雑な感情を覚える。悪意は無いのかもしれないけど…ビミョー。
作品のテーマは『孤独』であり、夫婦・男女・違う世代・違う国…等々『分かり合えない寂しさ』ってコトなので、別に舞台は東京でなくても良かったんだろうけど…『Tokyo』は『異世界』に見えて、都合が良かったのか…?



別れ際、ボブはシャーロットに何を囁いたのか気になる。


『カラオケ歌うスカヨハとビル・マーレイ』が貴重映像。
あと、ビル・マーレイの背が思ってた以上に高かった。


◎『自分自身や望みが分かってくれば、余計なことに振り回されなくなる』…が名言。
土平木艮

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