《孤独・異文化の体感表現》
【ロスト】
異文化の中での迷子。
自分の人生にて迷子。
2つの孤独感がよく表現されていた。
ボブとシャーロットが親密になっていく過程がドキュメンタリーっぽく、余計なセリフはなし。とてもリアル。単に、その場面場面を楽しむ2人を映しているのがとても心地よかった。孤独と孤独が自然と惹かれ合う感じ、とてもいい。
【ビル・マーレイ】
これビル・マーレイだから成功したのだとも思った。変ないやらしさがなく、包容力があり、若いスカーレットと一緒に行動してもおかしく無い。異国の地でふざける彼の演技も面白かった。
【異国:日本】
日本の描写は盛っているが、根底にあるおかしさや当事者から見たらこんな感じというのはよく表現できていると思う。誇張加減に納得いかない人もいるかもしれないが、"「体感」の演出"としてとても上手いと思った。
一方、情景の撮り方も美しく、ポートレイトのような見栄えがする画もあれば、ハンディでドキュメンタリーチックにおさめる場面もあり、コッポラ監督の日本への愛も感じれる。
【総括】
どれだけ心細いか、どれだけ異文化が新鮮だったか、それらの「体感表現」が本当に素晴らしい作品だった。