《大人たちの戦いが熱い》
【社長】
タイヤが外れ死傷者を出した運送会社。その社長である主人公。誰に過失があるのか、被害者の為に真実を明らかにしたい。無実を証明し、従業員とその家族を守りたい。さらには巨大企業の闇を暴きたい。と奮闘。その全ての信念は正しい事なのに、それぞれが干渉し合い、殺し合う構図がもどかしかった。
【演出】
意外と話の展開は速く、エンタメ作品にも近い見せ方にも感じた。一つの流れの中に違うエピソードのカットが一瞬挿入され、そこからまた別の話が膨らんでいくというサイクル。嫌なスピード感ではなく、むしろ視覚的に魅せるシーンがないのに吸引力があった。
【個性派大集合】
豪華な出演者。個性派俳優を小さな役までこれでもかと集め、それだけで見ていて楽しかった。「振り切れられる個性派」たちが、あえて抑えた演技に徹しているところも個人的にはツボ。
【長瀬智也】
それにしても長瀬智也のシリアスな役柄は久々に見たなという印象。というより演技を久々に見た気がする。彼らしいドッシリとした演技。良い。その彼を支える笹野氏の女房感もたまらない。
【総括】
実際に起きている事故を題材にした作品で「カッコいい」と言うのは不謹慎かもしれないが、役者陣の演技は本当に見応えがあった。"熱演"では無く、「守るために戦う人々」のリアルな会話劇がカッコいい姿として写った。
サザンオールスターズの主題歌、最高。