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ブルゴーニュで会いましょうのtaruponのレビュー・感想・評価

3.5
父と家業に背を向け、パリに出てワイン評論家として成功した息子と、家業のワイナリー(ブルゴーニュだからドメーヌです)を凋落されてしまった父の物語。息子がわだかまりを抱えた父と向き合い、一度は背を向けたワイン造りと向き合っていくかの話です。
ブルゴーニュの風景が何より美しい。まずは、それに尽きる。

どうしても、同じく父と息子の確執をブルゴーニュのドメーヌ舞台に描いた「おかえりブルゴーニュ」と比べてみてしまう部分があった。

私は、「おかえりブルゴーニュ」の方が好きかな。
こちらも父と息子の話としてはよいのだけれど、ブルゴーニュワインが飲みたいという気持ちがそこまで盛り上がらなかった(笑)

頑固な父が息子シャルレのやり方を少しづつ認め、息子も何とか自分の考えでつワインを作り上げようと努力しお互いに距離を縮めていく姿はよかったが、シャルレがなぜ昔からの農法でトライしようと思うのかが、モービュイソン家のエディットの考え方や、エディットのアメリカ人婿に対する考え方にもつながるところがあるはずで、その辺をもう少し丁寧に描いていても良かったかなという気もする。
たぶん、そこがブルゴーニュという産地と繋がる部分なんだろうけれど、フランス人にはきっと言わなくてもわかっても日本人の私には、獏とした想像になってしまう感じもあった。
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