シャチ状球体

フェノミナのシャチ状球体のレビュー・感想・評価

フェノミナ(1985年製作の映画)
4.3
主張が強くてノリノリのゴブリンサウンドをバックに、疾走感溢れる前衛的な映像表現が魅力のダリオ・アルジェント監督作。

連続殺人の真相は"超適当"だし、後半になるとジェニファーの夢遊病設定も空気になり、エンディングは更に突拍子もない展開へ。しかし、どこを"いじくったら"そんな発想が浮かぶのかと驚嘆せざるを得ないほどの多彩な表現が今作を唯一無二の作品へと押し上げている。
同じ画面を魚眼のように6分割して映したり、どうやって撮ったのか全く分からないチンパンジーの名演技、全編に漂うゴシックホラー調のデザイン、手書きで作ったであろう空を飛ぶ虫の大群、夢と現実の境界線が曖昧で地続きになっている序盤の演出……(たぶん)他では中々見られない斬新で"奥深気"な世界観が山ほど味わえる映画だ。
シャチ状球体

シャチ状球体