寿都

バラバの寿都のレビュー・感想・評価

バラバ(1962年製作の映画)
4.6
バラバは多くの現代人とおなじく「神とかアホくさ」派なので、宗教と対峙するうえでの葛藤によく共感できて入り込める。小難しくなく、超スペクタクルでエンタメ性も高い&キリスト教の成り立ちについても学べるお得な名作。闘技場おもしろすぎ。

アンソニー・クイン!ザンパノだとは気付かなかった。こんなに美形だったのか。リーマーヴィンとジョージケネディを足して顔を整えたような、豪傑系の最高にたのしい役者だ。

権力者が人民を統制し秩序を守るため、既得権益を守るため、それから個人個人の心の拠り所になる機能。これらの意味がキリスト教にあったのだと無知なりに私は考えていて、金儲けのために嘘をつき、人を苦しみに耐えさせるだけで救わない悪しきものだとさえ思っていた。事実、その一面も多分にあっただろう。
しかし元をたどれば、人間の良心をなにがあっても信じ続ける、という超重要な機能もあったんだろうな、と理解した。2千年後のいま平和を享受している人間としては、殉職者たちに感謝をささげたい。宗教の発生は必然だと思うが、もしキリスト教がなければ歴史はどの様に変わったのか?
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