寿都

黒蘭の女の寿都のネタバレレビュー・内容・結末

黒蘭の女(1938年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます


若き日のベティデイヴィス×ウィリアムワイラー。お相手役はヘンリーフォンダ✨
観たかった作品、こんなの置いてくれるなんてアマプラいかしてる!!!
風と共に去りぬとセットで観たい名作でした。

「卑しい彼女が美しくて好き」という、叔母(母親がわり)の台詞は意外性があり泣けた。実はジュリーの良き理解者で、口には出せないがジュリーの様な自分軸のある生き方に憧れていた人々もおおくいただろう。

生まれ故郷の南部のためを思ってこそ、北部の先進的な考えを取り入れようと邁進する若き名士、ヘンリーフォンダの姿も切ない。

保守的な環境に抑圧されることなく、戦争や疫病にも臆することのない、気高く情熱的に生きるヒロインの姿には、いつの時代の人間も感動をおぼえるものだと思います。(スカーレット同様、現代でもこのヒロイン達を嫌う人が多いことからもいかに先鋭の作品であったかがわかる)

舞踏会でひとり赤いドレスを着るジュリーはあれだ、スイミーだ。自分で着ていったくせに泣いて帰りたがるのが可愛い。最初はフィアンセのイデオロギーを試しているのか?とも思いましたが、どんな我儘(わたしらしさ)も許して、どんな時も私を守ってほしいという気持ちだったのでしょう。逆にヘンリーフォンダが強引にダンスを続けたりして、脚本の妙です。ろまんちっく舞踏会シーンの鑑!ステッキでお仕置きしようとするシーンもすてっきです。鞭でなが〜〜いスカートの裾を直す画にも惚れ惚れ。
なんといってもベティデイヴィスの王道から外れているのに完璧に美しい、ド級の存在感をみることができて感激です。わがままお嬢様が失恋と疫病を通しジャンヌダルクへと進化する物語でした。

蛇足:
同姓同名の女性ファンク歌手・ベティデイヴィスがいる。マイルス・デイヴィスの奥さん(一年だけ)でジミヘンと不倫、離婚後はクラプトンと付き合っていたらしい嘘だろっていう男性遍歴!
寿都

寿都