上映終了後に予定が詰まっていたので先にパンフレットを買って読んでいると、なんと主演はあの「天才マックスの世界」のマックス少年ことジェイソン・シュワルツマンではないですか!?
さぞかしナンセンスでブラックな世界が展開するのではないかとおそるおそる見ていると、これが結構まとも。割と普通の軽いコメディーでした。マックス君、おかしいのは相変わらずながら、それなりにまっとうに更正したではないか、とちょっと感激(関係ないか・・・)。
相変わらず自転車のこぎ方が絶妙で、そのリズムが何となくおかしくて、最初はくすくす笑いながら見ていました。余談ですが、この役者さん、タリア・シャイアの息子だったのですね。脚本当て書きだということなので、コッポラファミリーのご親戚連って、変人が多いのかも。
で、肝心の中身なのですが、撮影のセンスと脚本は良いけれど、一部演出に難あり、ですね。上質のネタで上手な職人が寿司を握ってくれるのだけれど、時々具の処理の仕方がちょっとおかしい、という感じで、もっと面白くていいはずなんですけれど、3割方不発です。あ、撮影も、例の泥まみれのシーンは、ちょととほほな出来でした。フランス映画だったらもっと上手く撮るだろうにね。
ダスティン・ホフマンやリリー・トムリン(この二人はとっても良い)とか、主役級の3人の男性の演技は良かったんですが、ナオミ・ワッツは後半のメークと衣装何とかならなかったですかね。アーミッシュの帽子は洋服とミスマッチで、なんだか解らなかったし。
イザベル・ユペールはメイクさんついていたんでしょうか?コメディーなんだから、素顔という感じはちょっといただけなかった。彼女の役はちょっと歳はいっているけれど、別に若くある必要はないんだから、キャロル・ブーケとか、ドミニク・サンダあたりの方がはまるような気がしました。(って、最近見ないけれどご存命なんだろうか?)
というより、この監督さんヨーロッパの女優使うにはセンスがずれているんでは?キャンディス・バーゲンあたりだったら演出あのままでもコメディーセンスはばっちり合ったかも知れませんね。
とはいえ、なんだかんだいって結構楽しめたので、DVDは買うつもりです。あと、最近の映画では珍しく、外国人にでも聞き取れるようなきちんとした英語でセリフが構成されているのでそこそこギャグに乗れたのもポイント高し、です。学生さんはヒアリングの練習にいいかも。メイキングの方が本編より面白そうな予感がしますので、特典映像たくさん付けて欲しいな♪。
それにしても、『チャーリーとチョコレート工場』といい、この映画といい、最近のアメリカ映画のコメディーは今ひとつはじけませんね。『ミラクル・ペティント』みたいな突き抜けたナンセンスさがある喜劇は今のアメリカではムリなのでしょうか。
(日本初公開時劇場鑑賞)