橘

ケープ・フィアーの橘のレビュー・感想・評価

ケープ・フィアー(1991年製作の映画)
3.6
ママ「飛び込むのよ!!」(わたし:ここで!?)

字も読めない田舎者だったマックスが、14年の刑を喰らって服役中に頭も身体も鍛えまくって、弁護士なのに弁護してくれなかった弁護士へ復讐しにやってくる。
そんな祟り神と化したマックスを演じるのはロバート・デ・ニーロ……初っ端からMAXの濃さでお腹いっぱいでした。白い帽子被ってる格好をなぜか「マドロス…」と思ってしまって笑えてどうしようと思ってましたが、髪纏めたスーツ姿とか格好良かったです。
あんな狂気なのに、学校でダニエルと話してるときは包容力まで感じさせるんだから怖いな。。
頑丈なこのロバート・デ・ニーロなら『ジョーカー』でホアキン・フェニックスにあんな殺られ方されなかったのに。年齢って残酷(ちがう)

復讐対象は弁護してたサムだけでいい気がするので、ボーデン一家とばっちりや…と気の毒にならないくらいこの人たちもどうかしていました。
娘さん思春期で不安定なのに、この両親は自分たちが見たいようにしか娘さんのこと見てないんだな、と思いました。
パパは仕事と愛人、ママは夫婦関係のことで精一杯なんだろう。
娘さんダニエルはとりあえず学校にはノーブラで行かないほうがいいと思う。15歳が履くようなパンツ(下着の)でもなかったしあれ……あのバランス、妖艶でした。危ない。

「自宅も危ない」ってんで、ケープ・フィアーでお船に籠城するボーデン一家だけどマックスは逃さない。
超時化てる中、マックスとボーデン一家は死闘を繰り広げるわけですが、結局タイマンか…と思いました。私立探偵と家政婦さんが気の毒。
ロバート・デ・ニーロ劇場でした。ヨルダンの岸辺でを叫びながら沈んでいくマックス、圧巻。

マックス怖いな〜と思いつつ、あまりに頑丈なのでキャッキャしてしまいました。
単なる復讐というより、マックスのことお前の罪を清算してもらおうか…的にやって来た神だとサムは思ってるのかな?みたいな事を船のシーンで感じたので(ヨブ記読めよとか言われてたのもそう)、サムからするとマックスを斃すのは神殺しに近いのかなぁ。。最終的に直接手を下してないのも含め。
言葉が纏まらないけど、復讐譚だけでは片付けられないなんかそんな感じでした。
地獄を通ったのでマックスもサムも天国に行けるのかもしれないです。


原作『恐怖の岬(1962)』でサム役だったらしいグレゴリー・ペックが、今回のマックスの弁護してくれてて「優しい」と思いました。今回のサム相手に勝ってた。
原作でマックス役だったロバート・ミッチャムも出てた。さすがスコセッシ……
橘