KenichiAkagawa

シンデレラマンのKenichiAkagawaのレビュー・感想・評価

シンデレラマン(2005年製作の映画)
4.7
 世界恐慌を背景に、実際にあったあるボクサーの復活劇。家族の生活を支えるため、ジム・ブラドックはどん底から這い上がり、2度目のチャンスをつかむのだった・・・

 こちらも何度も見直してる作品で、観るたびに毎回胸が熱くなる名作です。ボクサーの再起の物語ではありますが、それ以上に胸を打つのは、家族を守るために必死に働く主人公ジムの背中です。
 近年ではリーマンショックが世界経済を震撼させましたが、1929年の世界大恐慌はその比ではないといわれています。連戦OKで華々しい戦歴を飾ってきたジムは、怪我や不運に見舞われ、ボクサーのライセンスを剥奪されてしまいます。そして、貧困に身を挺することになるのですが、貧しくてもくさらず前を見て、必死で働きます。遂に電気を停められ、病気の息子を親族に預ける事態になった時の、ジムの行動は非常に胸を打ちますよね。プライドを捨てて頭を下げる・・・ 自分の中では、家族を持つこと、父になることへの覚悟をうかがわせる名シーンです。

 そして、それを支えるレニー演じる奥さんメイもまた最高です。子供が病気に苦しんでても貧困で何もしてあげられない・・・けど子供の前では明るく振舞い、決して苦しいそぶりを見せない・・・それだけに、影に隠れて涙するシーンはこちらもグッときます。ライセンスを奪われ、満足に働けなくなったジムに対しても、それを受け入れつつ見込み、前をみる。ほんと素敵な女性だ!!

 そんな家族の絆があるからこそ、そして苦しく貧困の生活があるからこそ、後半のファイトシーンに自然と熱が入る!演出ではなく、実話だというのが不思議なくらい素晴らしい展開!

 さらに、忘れてはいけない、ジムのマネージャー、ジョーが本当にいい味出してる。間違いなく、彼がいないとブラドックの成功はありえない重要人物。メイがジョー宅を訪れたシーンは、びっくりするとともにますます応援したくなる熱が高まります。

 もう10年ぐらい前の作品で、自分は絶対アカデミー賞の受賞を疑わなかったのですが、残念ながら叶いませんでした。でも、そのぐらい皆さんにおすすめしたい作品です。何度観ても感動しちゃうぐらいなので、まだ見てない方は、是非チャレンジを! というか、観ないと損です(笑)
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