ロケットマンのエルトン・ジョンじゃない方。
牛飼いから奪った牛を貧しい農民に分け与える謎の義賊ロケットマン。
その姿は麦わら帽子にスカーフを巻いただけの激安スタイルだが、巨大な爆竹ロケットで宙を舞い、華麗なムエタイで敵を葬るスーパーヒーローだ。
大体この手の映画は配給会社の誇大広告で本編を見るとそんなシーンは存在しないのがお決まりだが、本作はジャケットで期待した通りに無数の爆竹ロケットが盛大に飛び回り、ロケットマンは超人的なアクションを見せるので安心していだだきたい。
ロケットマンを演じるのは『七人のマッハ！』のダン・チューポン。
第二のトニー・ジャーを期待されるもいまいちブレイク出来なかった不遇の男だが、本作は陰のあるイケメンっぷりがハマっていて、普段は陰惨な作品が多い彼の意外な魅力が詰まっており、ダンの代表作と言っても過言ではない。
タイ映画と聞くとなんとなく貧乏臭いイメージがあるかもしれないが、本作はそこそこ予算がかかっているのか、セットやカメラワーク、見せ場のアクションもかなりしっかりしたエンタメ大作に仕上がっているので、是非多くの人に見てほしい。
