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哭悲/The Sadnessのsugasanのレビュー・感想・評価

哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)
1.0
予告の時点でたぶん乗れないだろうなあという気はしていたものの、ネトフリにも来たし食わず嫌いはよくないかと思って挑んだが、結論から言うとやっぱり無理だった。

ストーリー自体はゾンビ映画のテンプレだし、登場人物のキャラ立ちも微妙。

ホラー映画の登場人物は「こんないい奴に死んでほしくない」または「こんなクソ野郎皆殺しにしてしまえ」のどちらかに振り切れているべきだと思うが、本作の登場人物は適度にクソで適度に善人ぶるのでなんとも中途半端。

主役の男女はK-POPアイドルのようなルックスなのに、それ以外の脇役がハゲ、デブ、ヲタクなど若干の悪意を感じる配置なのも不快感が増量。途中出てきた大男の兄ちゃんとか、『新感染』のマ・ドンソク的な立ち回りをしてくれるかと思いきや秒で退場してしまって勿体無い。

台湾総統の頭部がスキャナーズするシーンと、直後の「あんな奴に投票を?」などたぶん笑うところなんだろうなと思うシーンもあるが、全体的にギャグも滑り散らかしていた印象。

映画としては並程度の本作の評価を押し上げている突き抜けた暴力・残酷描写から分かる通り、ストーリーもキャラも映画の体裁自体も後付けで、たぶんやりたいのはただひたすらゴア描写なんだろうなあ。
ここまで割り切ればいっそ潔いのかもしれないが、申し訳ないが自分は観ていてちっとも楽しい気分にはならなかった。

とはいえこの映画の構造、常日頃自分が好んで見ている格闘アクションと何が違うんだと問われると何も言い返せない。
ゴア描写を格闘アクションに置き換えれば、映画の出来は微妙でも凄ぇアクションを見せてくれれば全部許せてしまう自分には、この映画を責める資格はないのかもしれない。
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