シネラー

13日の金曜日のシネラーのレビュー・感想・評価

13日の金曜日(2009年製作の映画)
3.5
シリーズの原点を再鑑賞したところで
現状シリーズ最後の映画であり、
リメイク作の本作も再鑑賞。
シリーズのお約束に
初期作を意識した内容から、
個人的に第1作の次にお気に入りな作品だ。

内容としては、
物語の冒頭は原典における
第1作の出来事が描かれ、
そこから序盤20分はプロローグとなっており、
その後にクリスタル・レイク近くの
別荘に訪れた若者達が殺人鬼ジェイソン
に襲われる本筋が始まる内容となっている。
本作におけるジェイソンは
不死身のゾンビ的な存在ではなく、
標的を追いかけて走ったり、
反撃を受けて怯んだり、
狡猾に標的を誘い出そうとする等、
シリーズ初期作のような人間として
描かれているのが、
個人的にゾンビなジェイソンが
好きじゃない身からすると良かった。
プロローグのジェイソンの風貌が、
原典の"PART2"のような麻袋を被った
見た目だったのも嬉しかった。
そして、本筋の中でホッケーマスクを
入手して着用するのが、
"PART3"のオマージュであるのと同時に、
割れた鏡でその姿を見るジェイソンの
絵面が好きな場面でもあった。
加えて、ジェイソンの犯行方法が
バリエーション豊富であり、
犠牲者となる面々が約3名程を除けば
若者のパリピ集団なだけに、
ある種の爽快感もあって良かった。
ジェイソンの決定打となる対処方も
過去作を意識しており、
結末に至るまで楽しめる内容だった。

不満点としては、
登場人物の殆んどが馬鹿な
パリピすぎる点だと言えるだろう。
履き靴で酒は飲む場面は、
若気の至りでも嫌な位に有頂天になり
過ぎると思った。
又、驚かせてのスプラッター場面が
本作は多く、内容としての恐怖感が薄い
のは否めなかった。
物語全体としても
お決まりな展開しかない内容である為、
新鮮味は皆無と言えるだろう。

往年のファンからは設定の変更点から
快く思われない点もあり、
オマージュしかない映画だとは思う。
しかし、
シリーズに初めて触れるという人に
とってはジェイソンのキャラクターや
設定が簡単に知れる上に、
現代的に初期作を纏めあげた内容からも
推奨したい映画だ。
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