一番後味の悪いラストかも。
もしこれが仮に
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泥棒少年が涙ながらに貧困を訴え謝罪、
情状酌量の余地があるとしてなんだかんだ和解、
シェア自転車事業を始めるとこれが儲かってめでたしめでたし!
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だったら、流しやすい涙と引き換えにそんな映画忘れてしまう。
そこまでしなくても、あっけなく連行されて、子供と引き離されたら、そんなのってないよー!と怒れる。
許されて帰り道、この惨めさ。
気持ちをわかりすぎて、手をギュッと握ってくる子供は、主人公のインナーチャイルドの表れにも見えた。
一日中歩き回って、お腹も空いてクタクタだしさ。プイと拗ねて投げ出したくもなるし。こうなるということを身をもって嫌すぎるほどわかってるのに、本当にやるの?と問うてくる倫理観の眼差し。
だからもしうまく盗めたら、子供は消えちゃってたかもしれない。ほんとに川に落ちるなどして。
人がどこでも満員電車なみにぎゅうぎゅうひしめき合って、仕事を欲してて、占いに並んで、バスに乗れなくて、騒ぎがあれば簡単にやいのやいの言ってきて、そのひとりひとりみんなに生活があって、立ち行かなくてイライラしてるんだと思った
あと困窮してる状況下であえてお酒飲んで気が大きくなるシーンもわかりみ深くて辛くなった。
タイトルはやっぱり泥棒が形成されていく過程のことを指してるんですかね?
ひまわりが大好きで観たんだけどあのどこへも行けなさがもっとそのまま原液ストレートに描かれてて悲しかった。