じぇいらふ

アメリカの影のじぇいらふのレビュー・感想・評価

アメリカの影(1959年製作の映画)
4.1
ジョン・カサヴェテスを観るシリーズ①🎺

俳優にして、アメリカのインディーズ映画の父としてあらゆる映画人に影響与えたという映画作家、ジョン・カサヴェテス。映画好きなら観ないと!だよなあ、配信もされてるしなあ、いつか観なきゃ~とマークだけして、、、観ないあるある笑。映画館で主要作品が連続上映される!とのことで遂に見始める。きっかけ大事😆

こういうのは制作順番に観るのがいいよね~ということでまずはこれ。長編デビュー作、1959年作品。トリュフォーの『大人はわかってくれない』と同じだ。ゴダールの『勝手にしやがれ』は次の年。フランスのヌーヴェルヴァーグの前に、アメリカでロケと即興演出中心の斬新な映画は既に存在した。。。というかこういうのは不思議に同時多発的に発生するのね。

🎞️クラブで踊り狂う若者達~通り3人の若者が集まる~手に入った20ドルを手に、早速喫茶店でナンパかい笑~はじまり

📖マンハッタンに暮らす、黒人ハーフの3兄妹。見た目黒人の長男ヒューは売れない歌手でいつもバーで司会とかやらされてる。弟ベンは見た目ハーフで、トランペット奏者になりたいのに、友達と日々だらだらと過ごしている。しっかり者で最も見た目白人な妹レリアは、パーティで白人の青年トニーと出会い、家にトニーを招待するのだが。。。というおはなし

見た目が違う、黒人ハーフの兄妹がニューヨークで差別感情に傷つきながら、生きていく様を描いた作品。もうこんな時代に多様性がテーマの作品が作られてるとか凄いですわ。とても現代的。さすがアメリカ。

おもしろいのは、どの人も凄く悪い人はいなくて、日々の生活で精一杯であり、適度に気が良かったり、悪かったり、たまにはケンカしたり、、、要するに普通の人々のお話であること。リアル。そして痛々しい。特別ドラマチックなことが起きるわけではなく、そういう人々の悩む、もがく世界をそのまま見せる作品。まさにアメリカのヌーヴェルヴァーグですな。夢の様なハリウッドとは対極の世界。

プライド高い兄貴気の毒だけど、司会も大事な仕事だよなあとか。兄弟の家にでっかい提灯🏮がある。音楽はモダンジャズがかっこいい。ニューヨークだなあ。

それぞれに決断する兄妹の中、友達と別れた弟ベンが1人車🚗がガンガン来る道路を横切って歩くシーンがいいすね。

アメリカってのは面白い国ですよね。音楽も映画も世界一のエンタメ王国ですが、モダンジャズとか、パンクとか、ウォーホルとか、ヨーロッパより先に斬新なアートが発生するのね。