タカ

エスターのタカのレビュー・感想・評価

エスター(2009年製作の映画)
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「私はアンタのママじゃない❗️」

最新作に向けて復習
ストーリーとオチがあの感じだっただけにサスペンススリラーの印象だったけど
思いのほかがっつりホラー
ホラー描写が最初から最後までずっとずっと。
古典的な鏡越しのジャンプスケアをミスリードに使って2回目には驚かす
暗闇の中、稲光で照らさられる顔
恐怖対象を見失う公園シークエンス
そして中盤のハンマー決定打からはもうあからさま
紛うことなきキラーvsサバイバーの展開へ走っていく
なかなか見応えがある

死の恐怖と生の恐怖
命が産まれる奇跡、生死の紙一重
冒頭の出産シーンにおける血に塗れた姿がそれを悟らせる
ケイトが抱える闇を一気に見せられる冒頭
この辛さを最初に持ってくるだけで全体のトーンの重さが伝わる
最後まで観てるのがしんどい…
どのポジションに視点を置いてもしんどい…
それはエスター視点も含めてのこと
自身のアイデンティティを否定されて産まれた方が良かったのかどうかと自問することほど辛いものはない
だからこそ本当にしんどい映画だと思う

ショッキングな真相が骨子のストーリー
引っ張って引っ張って
できるだけ引っ張る
不穏を煽り続ける疑心の1時間
正体を表してからの狂気の1時間
そして何よりクライマックスの真相がメインディッシュ
一発で予想できた人はいるのだろうか
歯医者嫌いという伏線くらいしか推理の余地はなかったはず
裏切られることほど面白いものはない

最新作は前日譚ということらしいけど
これほどまとまった作品を広げるのにはキビしいと思う
"衝撃の真相"ありきの作品だっただけに、それが分かった状態でどのように興味を駆り立てていくのか気になる
いかにして人格形成されていくのかバックボーンを掘り下げていくのであれば、わりと興味深い
どう出るか楽しみだ
タカ

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