むっしゅたいやき

海辺のポーリーヌのむっしゅたいやきのレビュー・感想・評価

海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)
3.3
エリック・ロメール作品。
15歳の夏休み、大人の偽善と独善、欺瞞と妥協を知って少し成長する少女の物語。

済みません、ポーリーヌ以外の登場人物が揃って一癖二癖有り、物語に入り込めませんでした。
何せ恋愛体質の女性に自己中遊び人、自意識過剰少年と自尊心が高いけれど動かない『トカトントン』の書生の様な青年。
彼等の主義披瀝、詭弁、言い訳に終始苛苛させられました。

そんな中で一人地に足が着いている印象のポーリーヌ。
子供では無いけれど恋も未だ知らない、そんな時期だからこそ自意識と自尊心に邪魔だてされず、物事をニュートラルに見られるのでしょう。

カメラの色味雑味、輪郭の暈しは好みではあるものの、全編通して自己主張の激しい面々が繰り広げる騒動で爽快感も気付きも無く、更に観ていて少々気疲れする、そんな作品でした。
冒頭とラストの、門扉を開閉して入って行くミニ、立ち去るミニのみのみが印象に残っています。

テーマや劇性も無く、即興性へ重きを置くヌーヴェル・ヴァーグ…、苦手です。
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