題名から『シンシナティ・キッド』や『ハスラー』のような博打打ちのスタイリッシュな映画だと思っていたが、大いに違った。
ポスト西部劇とか、西部劇の反対像とか言われているが、そういうもの抜きで「アルトマンの映画」だった。
村人の服装が小奇麗でなく、リアル。正義の主人公がどこにもいなくてリアル。
説明的なセリフもなく、リアル。
アルトマン監督は、ただ起きたことを淡々と撮っていて、それがよかった。アルトマンらしい。
本当に積もっている雪と同様、本物=リアルなアメリカの一面を描いた「叙事詩」のような作品だった。「荒野」でなく、雪の中での淡々とした戦いのシーンも印象に残る。
こういう村を選んだ舞台設定といい、さすがアルトマンだ。
アメリカの強さ(が虚勢であること)を問い直した傑作『ビッグ・アメリカン』につながる作品だった。