Mariko

王になろうとした男のMarikoのレビュー・感想・評価

王になろうとした男(1975年製作の映画)
3.9
昔から何度かTVで断片を見かけて、ちゃんと通しで観たいと思っていたやつをようやく鑑賞。ありがとうBSシネマ。

キプリングの冒険小説を原作とした波乱万丈の物語、なんだけど、この原作がそもそも実話がベースになっているっていうんだから驚く。未読。

二人の英軍退役軍人がイギリス統治時代のインドからヒマラヤ奥地に入って王になろうとする顛末を描いているのだけど、この二人を演じるのがショーン・コネリーとマイケル・ケインで、その時点で見応え十分。そしてキプリングはクリストファー・プラマーなので、私的にはよくぞこの御三方を集めてくださいました!な感じ。

この荒唐無稽なことをやろうとする二人をどういう目線で観たらいいのか、が結構長いこと定まらないので、中盤までは今ひとつ乗り切れなかったのだけど、ショーン・コネリー演じるダニーが辺境の地カフィリスタンで神と崇められ、その後ピーチー(マイケル・ケイン)は我に返り、ダニーはさらに王として神として人々を統べたい、と、二人が道を違えようとしたら神ではないことがバレた!〜 あたりから俄然おもしろくなった。ダニーの勇猛たる最期は名場面。
そしてラストでいちばん最初の場面に戻って(このパターンは好き)変わり果てた姿のピーチーが、この話が作り話でもウソでもない証拠をキプリングに見せるくだりはかなりグッときた。
この終盤の感じでずっと行ってくれてたら名作になったのになあ。あと脚本は全体的にちょっと雑(わりと行き当たりばったりなのは実話がもとだから?)。惜しい。
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