マヒロ

地上最大のショウのマヒロのレビュー・感想・評価

地上最大のショウ(1952年製作の映画)
2.0
あるサーカスの座長・ブラッド(チャールトン・ヘストン)は周りから鬼と呼ばれるほど熱い男であり、長い時間をかけて田舎を回り、出来るだけ多くの人にサーカスの楽しさを知ってもらうという野望を持っていた。しかし、手っ取り早く都会を回って短期間で儲けたい経営陣とは意見が合わず、そこで譲歩としてスターであるセバスチャン(コーネル・ワイルド)をサーカスに引き入れることを提案するが、花形である中央テントを奪われる形になったブラッドの恋人でありブランコ乗りのホリー(ベティ・ハットン)はそれに納得がいかず……というお話。

巨大サーカスが舞台になっているだけあって、大量のスタッフだけではなく様々な種類の動物たちが画面中にひしめき合っており、それだけで凄まじいスケール感。作中3〜4分の1くらいは尺使ってるんじゃないか?というくらいたっぷりとサーカスそのものも見せてくれるが、正直そこは別にそんなにガッツリ見せてくれなくても良いのにとは思った。映画を観たいのであってサーカスを観たいわけではないので……。サーカスシーンにリソースを割きすぎたのか、会話のシーンではほとんど背景が合成になってしまっているのも気になる。

ドラマとしては基本はブラッド、ホリー、セバスチャンの三人の三角関係が描かれているが、全員が揃って異様に我が強く、自分勝手な行動ばかりしてくっ付いたり離れたりを繰り返すので、しまいにはどうでも良くなってしまった。
むしろ脇役であるピエロのバトンズが良くて、道化らしく常におどけているが、常にメイクをしたまま素顔を見せないと言うミステリアスなキャラクター。何故メイクをしたままなのか……というところは次第に明らかになっていくが、こっちのドラマをもっと掘り下げて欲しかった。このほとんど顔が分からないキャラをジェームズ・スチュアートが演じているというのがなかなか贅沢。

お金のかかった超大作であることは間違いないが、その「大作である」というところ以外に特に価値の見出せない映画だったかも。

(2021.189)
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