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モンスター上司のnoteのネタバレレビュー・内容・結末

モンスター上司(2011年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

バーに集ったニックとデイル、カートの幼馴染3人は、お互いの上司に悩まされていると話し合っているうちに、上司たちを始末しようという結論に達した。殺し屋と勘違いして知り合った元詐欺師のディーンのアドバイスの下、お互いの上司の交換殺人計画を仕掛けて行くが、事態は思いもよらない方向へ…。

社員教育とコンプライアンスが徹底した余程の優良企業でない限り、変な上司や嫌な上司はいるものだ。
しかし、そんな上司が自分の上に立たれたら、たまったもんじゃない。
そんな状況を笑いに変えたコメディの佳作である。

主人公3人組には、それぞれトンデモない上司がいる。
主人公たちよりもこの上司3人が突き抜けていて、本作の魅力となっている。

1人目はケヴィン・スペイシー演じるパワハラ上司。
2分の遅刻をネチネチと説教し、何ヶ月もニックに昇進を匂わせておいて、結局は取り消すクソ野郎。
転職したくても、アメリカでは元上司の評価が大きく影響するので、逆らえないのを良いことにパワハラ三昧。
トドメは「お前は一生俺の犬」宣言。
このサイテーな上司をケヴィン・スペイシーが「セブン」で獲得した執拗で冷酷なイメージで演じていて怖い。
ある意味、ハマり役である。

2人目のジェニファー・アニストンが演じるセクハラ上司はセックス狂いのクソビッチ。
男なら羨ましいと思うだろうが、幸せな新婚の部下カートに事あるごとにセックスを迫る。
裸に白衣姿で現れたり、麻酔で寝てる嫁の上でセックスを迫ったりする。
もしもバレたらカートの結婚生活は終わりだ。
男性上司が女性の部下にセクハラしたらシャレにならないが、この逆転の構図が笑える。

3人目はコリン・ファレル演じる早死にした社長の息子のボンボン&バカハラ上司。
酒にクスリにオンナに溺れ、儲けを増やそうと環境対策を削減して産業廃棄物を垂れ流そうとしたり、人件費を削減しようと手当たり次第社員をクビにしようとする。
ハゲにビールっ腹のオッサンが、会社内でも女をはべらす姿はバカでクズ。
「こんな人、現実にいないだろう?」と思うほどのバカをイケメンのコリン・ファレルが演じるから笑えてしまう。

こんな上司の下では絶対働けない。
そこで主人公3人が上司たちの殺害計画を相談する「(実はとてもケチな)前科のある男」を演じるのが、ジェイミー・フォックス。
彼の名前が、「マザーファッカー ジョーンズ」(当然偽名)という酷い名前。
この名前のおかげで会話のいちいち「マザーファッカー」と付いてしまい、すべてが悪口にしか聞こえない(笑)

脇を固める豪華なキャスト陣のハマりっぷりが凄まじい本作だが、魅力はそれだけではなくて、脚本もしっかりしている。

主人公たちは上司たちの家に侵入し、隙や弱点はないかと情報を探る。
パワハラ上司が自宅で(主人公が落とした)バカハラ上司の携帯を見つけると、妻の浮気相手だと勘違いして射殺する事件に発展。
それを目撃したニックは自白を録音して、警察に捕まえてもらおうと画策。
しかし、パワハラ上司に反撃されて追い詰められ…と、コメディ映画ながら、先の見えない展開にサスペンス・アクションもプラス。

カーチェイスの末に、最後はパワハラ上司の自白をカーナビが事故の証拠として録音していたため警察が逮捕。
それに倣ってセクハラ上司のセクハラも録画することで、支配する立場が逆転。

ハラハラドキドキしながら、最後にはモンスター上司に一泡吹かせる痛快さがたまらない。
言葉の汚さと分かりやすいエロなギャグがあるので、コメディとはいえ子どもには見せられないのが難点。
あくまでも働く大人向けだ。

私個人も過去にパワハラ上司に当たったことがある。
嫌な上司に出会った事のある人は、共感できて、かつスッキリできる。
仕事上がりにビール片手に見ることをおススメしたい作品である。
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