ハロウィンのオレンジ色から白と黒の雪景色へ。
ダークな世界観で彩るクリスマス。
自分の中での「クリスマス映画を観よう!」キャンペーン第三弾として鑑賞しました。しかも、以前から傑作との評判は伺っていましたのでね。「満を持して」という気概で鑑賞に臨んだのですが。
黒いティム・バートン成分が満載の作品でしたね。実際には監督を務めたわけではなく、原作を手掛けただけとのことですが、それでも十二分にアクが強い作品に仕上がっていました。
ちなみに僕は黒いときのティム・バートンよりも白い方が好きです。黒い方は単調な割に味が濃くて、結構消化不良を起こすんですよね。まあ、白い方も味が濃いのは変わりないのですが、ふんわりとした香料で味付けされていることが多いから心に優しいのです。まあ、近年は黒と白が融合して灰色になった、との噂ですが…どんな作品なのでしょうか。
閑話休題。
まあ、そんなわけで。
黒い方が苦手な自分としては、いまいちノリきれない作品でした。でも、もしかしたら、子供のうちに観ていたのならば…楽しめたのかもしれません。
と言うのも、分別がつく大人になってから鑑賞すると、本作の独特な世界観や小道具などに刺激を受けるものの、それを超えるような物語が提示されないことに物足りなさを感じてしまうんですね。特に中途半端な結末は消化不良感を高めるだけで、賛辞も罵倒も出来ないところに放置された気分に陥ったのです。
しかも、本作はミュージカル仕立て。
だから、音楽が嗜好に合うかどうかが重要なのですが、本作の楽曲は好みじゃなかったので歌が流れるたびに感情が冷え込む一方で、気付けば睡魔が手招きしている始末。ま、何とか退治しましたけど、体調が悪ければ惨敗だったと思います。
ということで。
大人が観るならば人を選ぶ作品だと思いました。絵柄と世界観と音楽の相性が良くて。そして、物語性を重視しないこと。その辺りがピタッとはまれば唯一無二の傑作になるんじゃないでしょうか。