チッコーネ

終着駅のチッコーネのレビュー・感想・評価

終着駅(1953年製作の映画)
3.5
モンティが出演したデ・シーカの映画があるとは知らなんだ。
主演女優は「誰よこれ」って感じだったのだが、カメラや照明も、彼女よりモンティの美しさを際立たせているのが面白い。
またアメリカ映画が欧州を舞台にする、或いはロケを敢行する、となると言語だけ英語になって白けるのだが、本作にはしっかりイタリア語が混在している。

よろめきもので、後年のTVにも影響を与えていそうな作風だが、単なるメロドラマに非ず。
終盤の「ほぼサスペンス」と呼べそうな不穏演出、ギリギリまで決着の読めないドキュメントタッチが良かった。

全編テルミニロケで、とにかく騒々しい。
フェリーニに撮らせなくても、イタリア人がいかに生命力にあふれているのかが、よくわかるという好例(最近は不景気で、みんな暗いみたいだけど)。