Masato

メランコリアのMasatoのレビュー・感想・評価

メランコリア(2011年製作の映画)
4.7
1人鬱映画祭 第13弾

鬱ランク C-

ラースフォントリアー監督作品初鑑賞

「メランコリア」とは、憂鬱のことを言う。
まさに題名の通りな映画なわけですが、辛さは一向に感じません。

ある惑星が地球へ段々と近づいていき、滅亡へのカウントダウンが刻々と迫る中、躁鬱病の妹としっかり者の姉の関係が徐々に崩壊していく。

最初の10分ほど唐突に始まるイメージ映像。すごく綺麗だが、後に何を説明しているかがわかる。

タラちゃんみたいなチャプター仕立てで、妹の視点と姉の視点からなる2章に分かれています。
1章は披露宴の出来事、2章は最期の出来事を描いている。

この二部構成に共通しているのは、崩壊。
互いに象徴しあっている点が面白い。
1章の出来事は2章の出来事のメタファー。
2章の惑星メランコリアは、1章のジャスティンのメタファー。

そして共通していないのは、人間性ということ。
クレアは従順する模範的人間、ジャスティンは病気のせいだが、反社会的な人間だ。
監督自身、うつ病になったことがあるらしいが、私自身は全く経験がないので、わからない。
この映画で、うつ病のことについて描きたかったのだと思う。健常者とうつ病患者、それぞれを地球滅亡というストーリーの中で描くことで、いかにうつ病の恐怖や健常者との違いを描いていたと思う。

監督曰く、これはハッピーエンドらしいが、確かにそうだったと思う。
現実的に考えれば、運命がひっくり返るなどほぼありえない。この絶望の中で、いかに幸せに終われるか。これは私達の生涯の人生にも大きく関わる。
その点で、作中のジョンは夢見る鑑賞者の象徴であり、希望を願う。ある意味この映画の中では、一番の敵であり、決まった運命という現実を受け入れられない弱い人間だと思う。

世界の終わり=人生の最期
私は、この映画で祖父の死を思い出した。
僕のおじいちゃんは、死んだときどう感じたのだろう。死ぬのは嫌って感じたのか?もう悔いはないって悟ったのか?何も知らずに無意識だったのか?死へと逃げたのか?
自分が生涯を閉じる時、どう感じるだろうか。
自分は悟りたいと思った。悔いはないって。


ジャックバウアーの恩恵がわからないが、キーファーサザーランドがいると安心するのは何故か。
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