ビターチョコ

MEMORIESのビターチョコのレビュー・感想・評価

MEMORIES(1995年製作の映画)
3.6
三つの短編が集まったオムニバスのアニメ映画。共通点はなんだろう。大友克洋監督が企画に関わってることだろうか(たぶん)。

大友克洋に興味があるなら(とても)観る価値がある作品。だがそうじゃないなら、あまり楽しめない作品の気がした(私見)。

一作目は宇宙SFで、絵柄は大友のようで何か違う。原作は大友克洋の短編漫画。だがキャラクターデザインが全く違う。内容の基本は同じだった気がするが(忘れた)。

二作目は「日本」が舞台のコメディで、絵柄は一番大友克洋っぽい。原作の漫画は無いはず。個人的には一番楽しかった。

三作目だけは大友克洋が監督してる。キャラ原案や色まで、最初から全部を大友自身が作ってる。ビジュアル的には一番個性的で、初見は(マニア的に)楽しかった。

私はアニメマニア(自称)なので、このタイプの作品は客観的に観ることができない。普通の観客がどう思ったのか知りたかったが、割と好評のようだ。しかし、「傑作」と呼べるような長編映画を鑑賞後の「満足感」はないだろう。オムニバスだから仕方ない? それは違うだろう。30分あれば、一生記憶に残る素敵な映像作品は「ある」のだから。

二作目の「最臭兵器」がいちばん大友克洋っぽい気がする。企画もキャラクターデザインも馬鹿馬鹿しさも、いろんな要素全てが。大友克洋は日本人だから、日本人を描くのが一番正しい(?)気がする。