Ryu

プレイス・イン・ザ・ハートのRyuのレビュー・感想・評価

3.7
大恐慌時代の1935年 テキサス州。突然、保安官の夫を失ったエドナ・スポルディングは幼い2人の子供を抱え、悲嘆にくれる。お金の事は全て夫に任せていたエドナは初めて自分の家の苦しい経済状況を知ることになる。エドナは流れ者の黒人 モーゼスを雇い、かれの提案で綿花栽培をはじめることに。さらに銀行員がエドナを訪ねてきて、盲目の義弟 ウィルを下宿人として住まわせないか と提案を受け、エドナはそれを了承する。

第57回アカデミー賞にて、脚本賞と主演女優賞を受賞した作品。サリー・フィールドは2度目の主演女優賞の受賞となった。
突如として厳しい現実を突きつけられた主婦が周囲の助けを得ながら奮闘するヒューマンドラマです。
2度目の主演女優賞なだけあって、サリー・フィールドはいい演技するなぁ〜。頑張るお母さんを見てたら、素直に応援したくなります。周りのダニー・グローヴァー、まだちょっと髪の毛があるジョン・マルコヴィッチにエド・ハリス、彼らもこれまたいい演技するもんだから、余計に心に沁みますね。
0の状態から綿花栽培を頑張る家族の話は王道ながらも心にダイレクトに響く展開で非常に良きなんですが、エド・ハリスの不倫うんぬんの必要性はあんまりなかったんじゃないかと思っちゃいました。スポルディング家に直接的な繋がりがないので、そう思ってしまったのかな。
ダニー・グローヴァーもジョン・マルコヴィッチも完全に虐げられる側ではなく、ちゃんと自分 というものを持っており、良くない部分も多少はあります。だからこそ人間らしいのであって、そんな彼らがスポルディング家を大切に思うようになるのが、また良い。
今作は主人公の自立していく物語でもありますが、ラストシーンを観て、“赦す”というテーマもあるのではないかと思いました。終盤の突然の襲撃シーンで、当時の黒人の扱いを思い出させられます。しかしラストの教会のシーンでは、差別する側 される側、不倫する側 される側、そして殺される側、殺す側、全ての人が一緒にいる という光景。現実はそう簡単ではありませんが、そこには理想の光景が映し出されており、それを忘れずにいよう というメッセージが伝わってきました。
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