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マイマイ新子と千年の魔法のHKのレビュー・感想・評価

マイマイ新子と千年の魔法(2009年製作の映画)
3.5
CS録画で鑑賞。『この世界の片隅に』の片渕須直監督の2009年の作品。数々の賞を獲っていますが公開時は観客動員数も伸びなかったらしくマニア以外には知名度も低いようです。

当時は親子向けと宣伝されたそうですが、小さな子供向けというよりむしろ大人向きで、方言や手描きっぽいタッチの多用など『この世界の~』との共通点も多く見受けられます。私自身は物語の時代よりほんの少し後の世代(もちろん千年前じゃない方)ですが、それでも子供時代の“あるある”体験はいろいろと重なる部分があり、懐かしい思いで鑑賞しました。

自然の風景描写がとても美しく、変にリアルすぎずアニメのキャラクターとも違和感なく馴染んでいます。私は、簡略化しつつも動きでリアルに見せ、想像の余地を残しつつもキレイな絵で伝えるのがアニメの本領だと思うので、あまりに写実的すぎるのは好みではありません。その点、この作品はちょうどよいバランスに思えました。

それにしても、新子と貴伊子がTVの『アルプスの少女ハイジ』のハイジとクララのイメージと重なります。キャラデザインも設定もですが、お祖父ちゃんのキャラもアルムおんじと重なるところがあるし他にもいろいろ・・・。あらためて高畑勲と宮崎駿が作り上げたアニメの名作の影響の大きさを感じました。
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