じぇいらふ

あこがれのじぇいらふのレビュー・感想・評価

あこがれ(1958年製作の映画)
4.5
フランソワ・トリュフォーの冒険⑦🚲🧑🏻🧒🏼

トリュフォーの短編デビュー作。久々に観た。もう冒頭からの鮮烈✨今観ると色々別の映画を思い出したり。やっぱり良き。そしてやっぱりトリュフォーの無邪気な変態性笑。

自転車🚲を走らせる少女を正面からの素晴らしすぎるショット〜はじまり

これはなんといっても匂い立つお姉さんの鮮烈過ぎる自転車ショットにつきる。真正面から風を受けてスカートをひらつかせながら脚を出してこぎ続ける姿をずっと映している。もうほとんどこれが撮りたかったという感じ。この作品のせいでどんだけ少女を自転車で走らせる映画が増えたことか笑。それだけ影響力あるシーン。

女優ベルナデッド・ラフォンがやっぱりいいです。スタイルいいお姉さんぶりがまぶしい感じ。もうトリュフォーが完全に惚れて撮ってるのがわかる。監督が惚れるといい画面になりますね。自転車だったり、テニスだったり、いろんなところを歩かせたり。意外とあまり表情とか撮ってない。ほとんど体の全体像ばかり、トリュフォーの初期作品の女性の撮り方ってだいたいそうだよね。スタイルか脚ばっかり撮ってる笑。意外と顔が印象に残らない。

もう一つの主役が子供達。ベルナデッドお姉さんにあこがれるあまり、いたずらばかりする。しかしほほえましいとかそういう感じではなく、有名なサドルの匂い嗅ぐシーン(スローモーションにすな!笑)とか、子供でもキモい感じ笑。恋にあこがれ恋がわからない子供の焦燥感とかとてもトリュフォー的テーマ。トリュフォーにとっての男性とは少年そのもの。恋がわからず女の子にちょっかい出す少年。男は少年。女性は綺麗なお姉さん。ずっとそういう映画撮ってる。だから処女作には全てがあるよね。

今観ると、少年達が戦争ごっこして(なんで逆再生?笑)遊ぶところとか、タバコ吸ってたりたむろっているところとかブニュエルの『忘れられた人々』っぽいとか思った。もちろんいろんな映画の影響ある感じ。

短編なのですぐ終わる。ちょっとほろ苦い終わり方。これも良き。若い雑な感じがない最初から上手い終わらせ方するよねトリュフォー✨