コーカサス

ウエスタンのコーカサスのレビュー・感想・評価

ウエスタン(1968年製作の映画)
4.1
アメリカン・ニューシネマが台頭した時代やそのリアリズムからアンチ西部劇(良い意味で)に位置付けされがちだが、実は古き良き西部劇へのオマージュもふんだんに盛り込まれた正統派西部劇だ。

レオーネ監督お得意のアップからワンショット毎の丁寧な画面構成。
お世辞にも清潔とは云えないガンマンたちの佇まい。
その暑さや匂いまでもが伝わる長いオープニングからモリコーネのテーマ曲。
“アメリカの良心”を演じ続けてきたフォンダの悪役ぶりといい、ハーモニカのブロンソン、美しきCCカルディナーレ…他、豪華出演陣を従え堂々とアメリカ進出を果たしたレオーネの傑作である。

“昔々、西部で…”
原題の通り、レオーネが映画の名を借りて描きたかった遠いおとぎ話は西部劇史は勿論、映画史上に残る叙情詩として後世まで語り継がれるであろう。

※NHK・BSプレミアム 167分版を観賞
26 2020 #243/2004