HicK

50回目のファースト・キスのHicKのレビュー・感想・評価

50回目のファースト・キス(2004年製作の映画)
4.5
《全てが心地よいバランスのラブコメ/ファンタジー》

【マイラブコメNo. 1】
あんまりラブコメ的な作品は好んで見たりしないんだけど、自分の人生史上、ラブコメで一番ハマった作品。

【色んな要素が詰まった作品】
ルーシーの記憶障害によるループの毎日は、いろいろ妄想しがいのあるテーマ。最初はバタバタ劇が楽しい。ただ、見ていくうちにかわいそうになり、つらい。そして切なくなる。でも全編にわたって周囲の優しさが強く伝わってきたり。そこにハワイの雄大な風景と心地いい音楽。悲劇だけど喜劇。ドラマ、ファンタジー、コメディーのバランスが最高。何がすごいって、ドラマの合間合間に下ネタを大量にぶっ込んでくるのに、作品のトーンと爽やかさを保ててること 笑。とても見やすい。

【アダム&ドリュー最高】
毎日恋をさせるってすごい。その設定に説得力を持たせるアダム・サンドラーの好演。頼り甲斐があり、純粋さも感じる。欲を言えば、プレイボーイの設定はいらなかったかな。ドリュー・バリモアは天真爛漫さがとてもマッチしている。とにかく2人とも可愛い。プライベートでの仲の良さも出ているのかも。ルーシーの弟役のショーン・アスティンも最高。

【アダムのコメディーチーム】
アダム主演作レギュラー俳優たちを筆頭に、ドタバタコメディや下ネタはいつもの"チーム・アダム・サンドラー"といった感じだが、今回に限っては少し邪魔な場面も 笑。特にウーラ役のロブ・シュナイダーはところによっては少しくどい 笑。悲劇っぽさを抑えて、ライトなファンタジーとして見やすさを保ってる要因には違いないが。

【♪Wouldn't it be nice?】
ビーチ・ボーイズの"Wouldn't it be nice?"は歌詞もメロディーも物語やハワイの風景とマッチしていて素敵だった。この曲のお陰なのか劇中の2人や作品自体もとてもかわいい印象が残る。自分は初鑑賞時、オーストラリアで暮らしていて、現地のキャドバリーチョコレートのCMに同曲が使われていたので、この曲を聞くとめちゃくちゃチョコが食いたくなる。

【総括】
ラストシーンは自分もルーシーになった気分になれる演出で、とても素敵な幕閉じだった。悲しさ、切なさ、コメディ、下ネタ…。でも最後に残るのは爽やかさと可愛らしさ。バランスが秀逸なファンタジーだった。ラブだけじゃない、いろんな要素が溢れて好きな作品。
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