ふき

バイオ・インフェルノのふきのレビュー・感想・評価

バイオ・インフェルノ(1985年製作の映画)
3.0
とある研究所で極秘に開発していた細菌兵器が漏れ、感染した職員が狂気に陥っていくパニックホラー作品。

この手のB級としては、派手に見せるべきところはきっちりお金をかけている。大きく分けて冒頭と前半と後半で、面白さのポイントが変わる点も興味深い。のちに『007 死ぬのは奴らだ』で悪役を演じるヤフェット・コットー氏を始め、存在感のある俳優が脇を固めているのもよい。

ただ私としては、「面白さのポイントが変わる」部分には不満を感じた。
冒頭、一人の女性が隔離されつつある研究所から強引に逃げ出すので、「なるほど、これで感染者が外部に漏れてパニックになるんだな」と想像する。
しかしその女性は物語に影響せず、研究所内での感染を信じる人と信じない人の対立と、研究所外での民間人と軍人の対立を描く、サスペンスの要素が強くなってくる。
なので「そうか、具体的に感染者が脅威になる映画ではないんだな」と心構えを変えると、ちょうど半分をすぎた辺りで感染者が発狂してパニックホラーにシフトし、研究所内外の対立のサスペンスが意味をなくすのだ。

確かに凝った展開ではあるのだが、「期待した面白さを敢えて外してくる展開」でもあり、私はそこが不満だった。つまらない映画ではけっしてないのだが。
ふき

ふき