LinusRufus

ハンニバルのLinusRufusのレビュー・感想・評価

ハンニバル(2001年製作の映画)
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原作を読んでから、間が空いて公開だったり、ジョディが続投しないとか、評価が割れてたりしてたけれども。
『必ず見ないといけないリスト』割と上位にいるゲイリー・オールドマンが出演すると知って、観に行く事が決定。

イタリアのフィレンツェは優雅で華やかな印象だったけれど、そんな姿は影形もなく。影と灰色の色合いでハンニバル·レクターが居るという危険を醸し出してたのは、さすがリドリー・スコット。
『エイリアン』の暗闇や恐怖の映像美が活かされてるなぁと感じた瞬間。

ジュリアン・ムーアのクラリス結構気に入ってます。周りからのイジメみたいな扱いに静かな怒りを持っている所や、颯爽としてる綺麗な立ち姿とか。
ゲイリーとホプキンスの怪演対決すごかった〜。レクターへの愛憎の凄まじさがハンパないです。

物議をよんだラスト。あんな形に歪めてしまって…
「一部」を提供したポール・クレンドラー(レイ・リオッタで正解)も報われない(泣) 映画と原作は別物になってしまい残念。

ただ、共通している点は、上司や同僚、警察関連の人達のクラリスに対する嫉妬まる出しの発言や行動が辛すぎること。
( “ハンニバル・レクター”の特別な存在と周りから思われているが故の嫉妬? クラリスは有難迷惑でしかないだろうけど)

だからこそ、居場所を与えられなかった故の、原作の、あのラストへの着地点なんですよね〜。

原作にはレクターの深層心理が割と随所に描かれていて、クラリスに対する想いについて(妹ミーシャに少し重ねてる?) 自問自答してるレクターが興味深かった。
未読の方にはぜひ原作オススメしたいです!

『クラリス』という羊たちの沈黙から1年後のドラマが制作されたからこそ(只今WOWOWで絶賛放送中)
『ハンニバル』も原作通りのラストをドラマで作って欲しいなぁと密かに期待。
映画として約2〜3時間で描くにはボリュームありすぎだと思うので。
(誰がレクター演じるのかって話になるんでしょうけど…)
LinusRufus

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