April01

八つ墓村のApril01のレビュー・感想・評価

八つ墓村(1977年製作の映画)
3.8
松竹シネマ公式がYOUTUBEで2/15まで期間限定で無料配信中。
見終わったついでにチャンネル説明見たら、毎月第1金曜20時 松竹映画を2週間限定で無料公開!だそう。今回たまたまネットニュースで知ったけどチェックすることにした。無料ありがたや~。

「八つ墓村の祟りじや~」まだ幼くて映画観る年齢ではなかった頃このフレーズ流行ってたの覚えてる。「サタデー・ナイト・フィーバー」のトラボルタのフィーバー!のポーズと同じくらいの流行り度だった気がする。で、今回初めてあの流行はなんだったんだろう?と観てみたら、老婆コント、白塗りコント、葬式コントどれも当時ドリフがコント化してた方で上書きされてしまってて怖いより笑えてしまえて困った。

ショーケンってあまり知らなかったけど、400年前の落ち武者の話と、現在の東京に生きる若者の姿が彼の存在感によってうまく対比されていて、微妙なセンチメンタルな感覚が作品全体に漂う。彼の視線を通して田舎の閉塞性が印象的に際立つし、山あいに広がる田園風景の映像美が映える。

突拍子ないオカルトホラーと彼の真面目な青臭い感じとのミスマッチが逆に不思議な魅力になっている。

最初から小川真由美との微妙な距離感での関係性があり、クライマックスの洞窟で、一見脈絡なく始まる妖艶なシーンのチグハグぶりはすごい。直後の白塗りお化けになる白眉の展開の前置きとして振れ幅大きすぎだからこそ面白い。

葬式で、三角頭巾をかぶる仏教について調べてしまいましたよ。今ではほとんど見られない風習だけど、コントではありません😅
中国地方の真言宗から始まったとも言われる 天冠だそう。遺族や参列者が身に着ける習いらしい。

桜吹雪をバックに山崎努演じる男が、頭に懐中電灯2本つけて桜並木の下を疾駆する狂気の殺人シーンは見事。
緊迫シーンを和らげる下条アトムの抜けた警官ぶりも良い。
April01

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