彦次郎

ロッキー4/炎の友情の彦次郎のレビュー・感想・評価

ロッキー4/炎の友情(1985年製作の映画)
3.7
リングで殺されたライヴァルの仇を討つべく敵地ソ連に赴くロッキーと迎え撃つ戦闘マシーンドラゴの闘いを描いたシリーズ第4作。ダサいサブタイトルも一周回ってカッコよく思えるのがさすがです。
米ソ対立を軸としたプロパガンダ映画でもあり、幾多の名曲と共に話が進むにミュージックビデオとも揶揄されておりますがエンターテイメントとしては面白いです。シリーズの持つ骨格の太さがテイストを変えても面白さを保った好例といえましょう。
個人的には話の内容が薄いとかの前にシリアス過ぎたギャグ(例としては北斗の拳)と化したのが気になるところです。
好敵手アポロが年齢による焦りと準備不足からドラゴに抹殺される訳ですが、JBのご機嫌な曲に合わせて調子よく登場するくだりは死亡フラグの教科書ともいうべき鉄板さです(これは他の方のレビューでも指摘されていました)。前作との扱いの落差がもはやギャグに思えます。
豪邸住まいのロッキーがソ連でドラゴの科学的トレーニングと対比的なアナログトレーニングを行うのは良いのですが、トレーニングの仕上げに雪山登頂に成功するのはやり過ぎ(フィラデルフィア美術館の階段登りの最上級という事だけど)で不覚にも笑ってしまいました。
その辺りのツッコミを気にさせない勢いがある事も確かでテレビでよく放映されていたのも今作である事から面白さの単純化の極致とも捉えられます。
前作同様に肉体を極限まで鍛え上げてたシルヴェスタ・スタローンはやはり凄いと思います。ドラゴの妻が後日スタローンの妻になるというのも不思議な縁でした。
ちなみこの作品の後日談としてクリード2があるのでシリーズとしては飛ばせない作品です。
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