空海花

ドゥ・ザ・ライト・シングの空海花のレビュー・感想・評価

ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年製作の映画)
5.0
お久しぶりです🙇
まずは貯まっていたレビューから…
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ラジカセから鳴り響く、パブリック・エナミーのFight The Power♬
スパイク・リー監督の大傑作。

オープニングは監督自らが演じる主人公ムーキーの恋人、ティナ役のロージー・ペレスがキレッキレの熱い踊りを披露。
眺めていたらパンチを喰らわされる👊
そしてDJラブ・ダディ(サミュエル・L・ジャクソン、若っ)から「Wake Up!」
幕開け、朝からうだるような暑さの中、目覚めさせられる。

アメリカ、ブルックリンの黒人街が舞台。
原色の色彩豊かな色使いが観ていて楽しい。
ムーキーはイタリア系のサル(ダニー・アイエロ)が経営するピザ屋で配達のアルバイトをしている。
恋人も居て子供も居るが一緒に暮らす訳でもなくだらだらとでも割と穏やかに暮らしている。
他にもアフリカ系、プエルトリコ系、イタリア系、韓国系など様々な人種の人々が、ある程度の折り合いを付けているように、それなりの日々を送っている。
37℃を超える猛暑にうんざりしつつも、
だべったり、のんびりしたり、時に水を撒き散らしながら。

そんな暮らしを送る人々を、
コメディを織り交ぜながら描かれていく。
しかしある弾みでそれぞれの不満が唐突に沸点に達する。
感情の、怒りの、大爆発だ!

心と生活の奥底に燻っている人種の壁。
それはちょっとしたことがきっかけとなり
途轍もないパワーを持って噴き出してくる。
いや、この場合起爆したものはちょっとしたことでは決してないのだが
不満や疑い、違和感など陰にあるすべてのものが直結している。

それはどうしようもない地点にまで達し、
観ているこちらも右往左往してしまうほどだ。
この映画のストーリーや映像、音楽、色彩全てに迷いはない。
言われた通り目を覚まして、しかと観続けるしかない。

Always do the right thing.
それが激しい衝突を生むこともある。
こんなどうしようもない事態になるかもしれない。
しかしこれも人の営みから生まれる根源からの力でもある。
根源とは何か。
自由に生きるという情熱的な欲求かもしれない。
心の奥底で人々は渇望している。

キング牧師とマルコムXの言葉が引用される。
これをどう受け取るかは観るものに委ねられる。

私はリー監督の色彩感覚が好きなのだが
このジャケットのベースのブルーの色は
平和と自由を象徴するように思う。

綺麗事では済まされないこの情熱とパワーが
人と人を繋ぐ創造的なエネルギーに生まれ変わる可能性を人として信じたいと強く思う。

このパワーは圧巻で、リアリティに溢れ、
完璧だと思う。


今、観るべき映画にあげられることもあると思うが、
この強烈なパワーはそんなこと関係なしに
それを思い出したい時にいつでも観てほしいと思う映画だ。
ぼんやりした眼差しを目覚めさせるために。


2020自宅鑑賞No.38/total146


5月鑑賞分蔵出し?です。
「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」を観てから、ロージー・ペレスのダンスを観たくなり再鑑賞。

200Mark!目前にまた入院してきちゃいました。
その間にFilmarks始めて1周年も過ぎてました😅
今回は緊急で、手術もして、QOLがかなり下がってしまいました。
早く映画館に行けるようになりたいな😢
配信もまだあんまり観られてなかったので、ぼちぼち観ようと思います😌
レビューは後ほど読ませていただきます🙇
いつもありがとうございます✨
空海花

空海花