こたつむり

インデペンデンス・デイのこたつむりのレビュー・感想・評価

インデペンデンス・デイ(1996年製作の映画)
3.8
★ 国民よ立て!
  悲しみを怒りに変えて、立てよ国民!

確かに仕上がりが粗い作品でした。
若かりし頃に「本作のことが好き」と言ったら「え。あんなベタな作品が好きなの?マジで?ウケるwww」と嘲笑されたのも理解できます…が、あー。思い出したらムカムカしてきましたよ。

なんで他人の趣味嗜好を嘲るのでしょうかね。
他者を嘲笑することで優位に立つ…って格好悪いと思うのですが、そういう外面は気にしないのでしょうか。よく分かりませんね。むかむか。

…と、スミマセン。
本題に戻ります。

確かに仕上がりが粗い作品なのです。
特にコンピュータウィルスの件はツッコミどころ満載。OSの違いは考慮しなくて良いのか、とか。無線LAN(なのか分かりませんが)は暗号化していないのか、とか。1997年の作品なので仕方ないとは言え、検証不足は確実なのです。

また、異星人から“知性”を感じないのも微妙なところ。優れた技術があれば思想面だって洗練されているはずなのに、色々と杜撰な対応ですからね。脳内補完が必須でした。

でもね。そんなことは全て些細な話。
人類絶滅の瀬戸際で望みを捨てず「我々は闘うのだ」と立ち上がる瞬間。これを真正面から描いただけでも価値があるのに、世界全体がひとつになる瞬間もありますからね。理想主義者としては、それだけで感涙の極みなのです。

だから、本作を鑑賞した日が独立記念日。
物語の向こう側にある“本質”を掴むために、固定概念に縛られないで自分の頭で考える…それが大切なのでしょう。そして、それを理解したうえでカタルシスを楽しむ分には、何も問題はないのです。

まあ、そんなわけで。
久しぶりに鑑賞しましたが、萎えるほどに粗く、血潮が滾るほどに熱い作品でした。

それにしても、ウィル・スミスが主人公だと憶えていたのですが、ジェフ・ゴールドブラムのほうが重要なポジションだったのは驚き。いやぁ。記憶って簡単に改竄されるんですね。怖いなあ。
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