シミステツ

地獄の黙示録のシミステツのネタバレレビュー・内容・結末

地獄の黙示録(1979年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ベトナム戦争下、アメリカ陸軍のウィラード大尉がカンボジア奥地で帝国を築き軍規を無視するカーツ大佐を暗殺する特殊任務を命じられる。

オープニングが勝利すぎる。
「これで終わりだ」の歌とともに燃え上がる森。
そして主人公の顔をうっすらフェード。
これはもう”予期”せざるを得ない。

とにかくサーフィンがしたいキルゴア大佐が滑稽、狂気とカオスが濃く描かれる。
戦闘のリアルさと浮かれたエンタメ要素、「戦争とは道化芝居だ」という旨のモノローグがあったように、戦争とは何かを突きつけているよう。
ウィラード大尉のモノローグが増えてくるところからシリアスで哲学的な側面が浮き彫りになり重苦しくなってくる。めちゃくちゃに情緒不安定な映画だ。
ジャングルの川を下り辿り着いた先には現地民族の出迎える異様な光景。緊張感が走る。カーツ大佐の語りシーンは照明演出で不気味さや得体の知れなさがよく出ていた。アカデミー賞の撮影賞、音響賞を受賞しているだけあって、なかなかに不安や焦り、不気味さや興奮を駆り立てる演出が上手い。

『地獄の黙示録』といえば細胞レベルで反応できるテーマソング。"やって来た感”がすごい。