シュローダー

シャーロック・ホームズ シャドウ ゲームのシュローダーのレビュー・感想・評価

4.8
ガイリッチー映画の中でも、扱いが地味だなと思っているが、個人的には彼のフィルモグラフィーの中でも屈指の傑作であると思っている。前作から引き続きバディムービーとしての面白さは勿論、アクションシーンのクオリティが大幅にアップ。特に白眉となる後半の森での追跡シーンは、横運動とスローモーションの連なりが強烈な快感を呼び、何度でも見返したいと思わされる。ホームズとワトソンの関係性萌えの描写はもう極まる所まで行っている所に割り込んでくるモリアーティー教授のキャラ立ちも「実行力がある上に社会的地位も高い究極の知能犯」という、ちゃんと作り込むのが難しいキャラ付けを何の違和感もなくやってのけているのも凄い所。このシリーズのお約束である、「ホームズが持ち前の推理力で相手の行動を予測する」というシチュエーションを、終盤モリアーティーの側もやってのける意趣返しが、キャラ描写とガイリッチーのモリモリ演出の方向性が完璧に一致した場面として、素晴らしいと思った。あのラストも普通の映画でやられたらイラつく所だが、このシリーズなら全然良い。作るのか作らないのかわからない続編を僕は熱望している。