茨城県下妻を舞台に、ひょんなことから出会う嗜好も生き方も正反対の二人「桃子」と「イチゴ」の友情模様を描く。青春ドラマ的コメディエンターテイメント。
中島哲也の初期作品を久しぶりに鑑賞。多彩な映像演出にポップな世界観にテンポ感に、この監督特有の魅力や「らしさ」が序盤から満載。ロリータファッションの深田恭子、暴走族でヤンキーの土屋アンナを筆頭に、宮迫や篠原涼子や樹木希林などなど多彩なキャストが個性的な人物たちを演じる。あとこーゆーテンション高い映画で映えまくる阿部サダヲや荒川良々よ。今作を初めて見たのがたしか中学生の頃で、当時はただのハイテンション系おバカ系のコメディとして見てた気がするけど、改めて見て、我が道を生きる主人公二人の、生い立ちから来る人生観とか辿る道の違いとか、じつはなかなか興味深いなと。例えば一方は独りこそ正義、他者との繋がりなんかめんどくさいし興味もなし、もう一方は仲間という存在に大きな意味を感じていて、その関係を大切にするし筋も通すなど、ここらへん対比が非常に上手く効いてたりする。見てる側も自分がどっち派かで共感の場面も変わってくるんじゃないかな、なんて。
とかなんとか言いつつ深みとかほぼなく、やっぱり今作はとにかく軽めに見れる内容。ちなみに今作以降(まぁ今作でも片鱗は見えるけども)中島哲也作品はどんどんクセもアクも強く、また毒気もファンタジー感も増していくという、もちろんいい意味でね。CMやMVのような小気味いい展開の仕方にカット割りに、初期ガイ・リッチー作品の感じとか好きな俺からしたら見てるだけでわりとルンルンだったりして。ただ前から思ってたけど個人的には終盤がイマイチなんだよなーってなところ。変な失速を感じてしまうの俺だけなんだろうか、もったいないなーなんて。そこらへんもまぁ深キョン好きなら許せちゃうのかもねー。
