円柱野郎

ブルーノの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

ブルーノ(2009年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

サシャ・バロン・コーエン扮する"オーストリア人でゲイのファッションレポーター"・ブルーノが、セレブになるために奔走する姿を描いた半モキュメント・コメディ。
"半"としたのは、ブルーノ(コーエン)のとんでもない行動に巻き込まれた人々のリアルな反応が収録されているからであるが、ともすれば悪ノリが過ぎるように見えるので、人によっては不快極まる映画。でもカリカチュアされたブルーノのゲイっぽさは、明らかにコーエンがゲイを笑っている表れだと思うし、逆にボラットを「ホモ野郎!」と拒絶する人々をも笑いものにしてる。相容れない嗜好の断絶を笑いものにしているという点では、すごくよくできたブラックコメディだと思うのだが。如何せん表現が下品すぎるw
逆説的ジョークは、今回「有名になるためにアフリカの黒人を養子に」が特に冴えているか。有名人の養子ブームを嘲笑い、しかも人種問題にまで切り込んでいるのだけれど…意図とは反対の表現で見せるので、まともに受け取る人はそりゃ怒るかw しかし体を張って風刺という笑いを体現するコーエンは、真のインテリコメディアンだと思う。
徹頭徹尾、偽善者や主張する人間をコケにした映画だが、こんな映画なのにエンディングでブルーノと共に歌うアーティスト達にはビックリした。ボノもスティングもエルトン・ジョンも、シャレの分かる人たちだなあw
円柱野郎

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